お知らせ

[お知らせ]ミステリーコンテスト結果発表



comicoノベル主催「新潮文庫 新世代ミステリー賞」へたくさんのご応募ありがとうございました。
10万字以上というハードルの高い設定にもかかわらず100件以上の作品をご応募いただきました。
多数の力作を投稿してくださった作家様そして読者様、誠にありがとうございます。



結果発表

大賞(1名):該当作品なし

100万円+comico公式作品として連載+書籍化


準大賞(1名):該当作品なし

30万円


入選(最大5名):下記2作品

10万円



如月新一
モリス


【あらすじ】
同級生の森巣良は、イケメンで優しい、クラスの中心にいる生徒だ。だけど彼には裏の顔があり……正体は腹黒毒舌名探偵だった。
悪意に立ち向かう高校生探偵物語。
森巣、君はいいやつなのか? 悪いやつなのか?


【新潮文庫編集部からのコメント】
応募作の中でもっとも完成度が高く、森守、森守を見つめる主人公・平のキャラクターにも非常に好感が持てました。
ただこれらの事柄と表裏一体で、非常に既視感が強くオリジナリティに欠ける作品でもあります。
展開を序盤であっさりと予感させてしまう点、クレイジーな名探偵とごく平均的な高校生という往年の組み合わせなど、もっと如月さんにしか手掛けられないものを読みたいと感じるポイントが多々あり、今回は佳作としました。



狐さんと夏草の駅


【あらすじ】
田舎街の廃止された駅のホーム。そこで狐のお面をかぶった謎の男、「狐さん」と会瀬を繰り返す女子高生、千世。
しかしそんなある日、事件は起きてーーーー。
秘密ばかりが溢れるこの街で、あたしはそれでも、狐さんを信じていたかった。


【新潮文庫編集部からのコメント】
読者を引き込む魅力的な文章力で、田舎町の情景・人間関係が良く書けている。
とくに、母を失った娘と、娘を失った祖母の互いの心境の交差は、胸を打った。
ただ、書き切れていない関係や感情が断線のように残ってしまっていたのが残念。
登場人物それぞれにより深く入り込んで、その人物になったつもりで書かないと、言動が妙なものになったりご都合主義的になったりしてしまう。
厳しいようだが物語の細部のリアリティを高める努力が決定的に足りていない。
事件が起こった時の警察官の挙動など、あまりに不自然な箇所が多く、そのつど読者は作品世界から引き離されてしまう。
知らないことはよく調べて書く。
その努力をすれば、より魅力的な小説になるだろう。




全体の講評

このたびはたくさんの方のご応募どうもありがとうございました。
残念ながら今回は大賞受賞作なしという結果になりました。
しかし、応募作には新しい感性に気付かされる作品が多く、新鮮な気持ちになりながら選考できました。
読者を次の頁に進ませようという意欲や工夫が随所に見られ、まだまだ皆様の中には情熱的な作品を生み出す力があると信じられ、頼もしく思いました。

一方で、落選した作品の中には、「この小説を通して何を伝えたいのか」というテーマ性が自分の中で定まっていないにもかかわらず書き始めてしまったような作品、 書きたいシチュエーションに拘りすぎて、肝心のキャラクター性がちぐはぐになった作品、といった、 書き始める前の事前準備が実は足りていないのではないかと思われる作品が多々見受けられました。

既存の物語の枠組みに囚われる必要はまったくありませんが、小説を書く上で、読者をどう楽しませたいかという思考プロセスは、プロになるために必要不可欠なものと考えます。
推敲をするのは当然のこととして、次は書き始める前の一手間を惜しまず、ますますの意欲的な作品を生み出していくことを願っています。

新たなる物語との出会いを編集部員一同お待ちしています。

新潮社 新潮文庫編集部


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