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いわさきゆきこ

江戸時代の窃盗に対する考え方は、犯罪者が一方的に悪いとされことはありませんでした。
例えば人の家に盗みに入って金品を盗んだ場合でも、本来は獄門刑(斬首されたのち、首を晒される刑)ですが、鍵をかけ忘れた家に入ったのであれば、それは家主の方にも落ち度がある、ということで入墨に重敲刑(百叩き)と、とても軽くなります。この敲刑はスリなどに適用されるのと同様のものです。スリもやはりすられる方にも落ち度がある、ということでこの軽さなのでしょう。要は「自分の身は自分で守る」という精神があった訳ですね。
なので、武士などが窃盗に巻き込まれた場合は大概体面を重んじて奉行所に訴える事はせず、泣き寝入りしてしまったそうです。それを逆手に取って、強盗などはわざと侍を狙って襲ったとか。現代でもオレオレ詐欺の手口は体面を重んじる所をついた犯行が多いことを考えれば、被害にあった武士の気持ちが良くわかる気がします。

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