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いわさきゆきこ

さて今回は、コメント欄にも書いて頂きました「籠釣瓶(かごつるべ)」のお話をば。今作の吉原と村正という組み合わせの出どころは、実際に吉原で起こったと言われる「吉原百人斬」という事件です。これは、遊女に入れこんだ男が自分の店を潰してまでも貢いだのに愛想を尽かされ、逆上してその場にいた遊女と客を無差別に斬り殺してしまったと言う事件です。今で言えばストーカー殺人に近い怖さがあるこの事件は、脚色されて歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」という名で公演されました。歌舞伎ではこの男が持っていたのが村正だったという設定になっておりまして、あたかも妖刀に取り憑かれた男の悲劇のような演出に一役買っております。この村正が「籠釣瓶」という名称で呼ばれているのですが、この籠釣瓶と言う名は刀の切れ味を示す異名で、「かごで作ったつるべには水が溜まらない」ことから、水もたまらぬ切れ味、という意味があります

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