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形而上のアカネ

(再)レベルはアップの一途
その昔、宿屋に泊まった時にのみレベルアップするゲームがあったのですが、あれは現実に即したシステムだったのではと思い起こされます。
以前職場で修羅場を体験した時のこと。様々立ち現れる問題にいつもの用意や手順を逸脱し、最善ではない選択を重ね、何とか終息にこじつけました。泥のように眠って目覚めると、自分の総体が「ずれた」感覚を覚えました。おそらく修羅場の中でパーツが破損し、交換・修復、応急処置を繰り返した結果、「どこが違うかはわからないが前とは違う自己」を再構築したものと思われます。
 戦い、毒に侵され、仲間が死に、敵を殺し、ほうほうの体で宿屋に戻ると翌朝には元の自己には戻れず、わずかに変質した自己へ移ってしまう。ファンファーレもなくHP全回復もしないあのシステムは、成長の不気味さを上手に含んだシステムだったのでは、と当時の設計者を偲びます。
【次回休載です】

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